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19話 無邪気な願いと、守りたい日常

مؤلف: みみっく
last update تاريخ النشر: 2025-08-06 07:00:39

「わぁ~! 美味しそう~! お肉~♪ お肉~♪」

 ミーシャは、焼き上がる肉を見て目を輝かせた。湯気の立ち上るフライパンを覗き込みながら、尻尾をふわふわと揺らしている。その瞳は、まるで星が宿ったようにキラキラと光っていた。

「味は……あんまり期待すんなよー」

 ユウヤは、少し照れくさそうに肩をすくめながら言った。料理には自信があるわけじゃない。ただ、できる範囲で精一杯やっただけだ。

「ん? 美味しいよー♪ ユウちゃん、料理もできるんだ~! すごーい!」

 ミーシャは、焼きたての肉を一口頬張ると、満面の笑みでユウヤを見上げた。口元には肉汁がほんのり光り、幸せそうに尻尾をぱたぱたと揺らしている。

 その姿を見て、ユウヤの胸の奥がじんわりと温かくなった。自信のなかった料理を、こんなにも嬉しそうに食べてくれるなんて。

(おおぉ……俺、意外とやるじゃん。これ……普通に美味いぞ? もしかして、料理の才能あったりして?)

 そんなことを思いながら、ユウヤは思わず頬を緩めた。ミーシャの言葉が、素直に嬉しかった。

「ふふっ、ありがとな」

 照れ隠しのように笑いながら、ユウヤはミーシャの皿にもう一切れ肉を乗せた。

♢ミーシャとの絆と新たな日常

(えっと……臭いはなくなったけど、服がな……)

 ユウヤは、ミーシャの身なりに目をやった。彼女が着ているのは、くたびれたワンピース。ところどころ破れていて、布地も薄くなっている。肩口や裾には小さな穴が空いていて、見る人によっては妙に刺激的に映るかもしれない。

(ボロボロのワンピースじゃ、かわいそうだよな……。昼にこっそり村に戻って、服を買ってくるか。ついでに家にも顔を出して、「しばらく戻れない」って伝えておかないとな)

 そんなことを考えながら、ユウヤはミーシャに声をかけた。

「ミーシャ、今日の予定は?」

 ミーシャは首を傾げ、ネコ耳がふわりと揺れた。

「ないよ~」

「普段は、何してるんだ?」

「えっとね~、村をふらふらしてるー。お腹が空いたら、最近は森に入って、小さな動物を捕まえて食べてるぅー」

 その言葉に、ユウヤは思わず眉をひそめた。ミーシャの無邪気な口調とは裏腹に、その生活はあまりにも危なっかしい。

「は? 危ないから、もう森に入るなよ。昼は一緒に食べような」

「うん♪ ユウちゃんと、一緒に食べる~!」

 ミーシャは嬉しそうに頷き、尻尾をふわふわと揺らした。その目は、朝日を受けてキラキラと輝いている。

「ユウちゃんは、どこか行くの?」

 無邪気な声で尋ねるミーシャに、ユウヤは少しだけ考えてから答えた。

「ちょっとだけ出かけるけど、すぐ戻るよ。昼には一緒にご飯食べような」

「うんっ、待ってる~♪」

 ミーシャは、にこにこと笑いながら、ユウヤの言葉を信じきった様子で頷いた。その笑顔に、ユウヤは胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

「今日は……魔獣の討伐に行く予定かな」

 ユウヤがそう呟くと、ミーシャはぱっと目を輝かせた。

「わたしも行くーっ!」

 小さな体を弾ませるようにして、ミーシャは元気よく申し出た。その尻尾がぴょんぴょんと跳ね、嬉しさを隠しきれていない。

「ミーシャは、武器は使えないだろ?」

 ユウヤがやんわりとたしなめると、ミーシャはしゅんと肩を落とした。

「ううぅ……使えないぃ……」

「魔法は?」

「つかえないー! もぉ……つまんなーい! でもユウちゃんと一緒にいたいー!」

 ミーシャは、ぷくっと頬を膨らませながらも、ユウヤの袖をつまんで甘えるように言った。

(あれ……? 昨日と打って変わって、なんか……すごく懐かれてる?)

 ユウヤは、ミーシャの急な距離の詰め方に少し驚きつつも、悪い気はしなかった。一緒に連れて行ってもいいが、問題は彼女がちゃんと大人しくしていられるかどうかだ。

「……一緒に連れて行ってもいいけど、大人しくしてろよ?」

 ユウヤが条件をつけると、ミーシャはぱっと顔を明るくして、元気よく手を挙げた。

「はーいっ! おとなしくするー!」

 その耳がぴょこんと跳ね、尻尾も嬉しそうに揺れている。

「じゃあ、アリアを迎えに行くから、その間ここで大人しく待っててくれ」

「わかったぁ……」

 ミーシャは、少し不満げに唇を尖らせたが、それでも素直に頷いた。顔には「つまんない」がにじみ出ていたが、ちゃんと待つつもりではいるようだった。

「居なくなってたら置いてくからなー」

 ユウヤが念を押すように言うと、ミーシャは慌てて顔を上げた。

「おとなしくしてるよっ!」

 その声には、置いていかれることへの焦りがにじんでいた。大きな青い瞳が不安そうに揺れ、ユウヤをじっと見上げてくる。

(……ほんと、表情がころころ変わるな)

 朝食を終えたあと、ふたりで後片付けを済ませると、少し時間ができた。ユウヤはソファに横になり、しばしの休憩を取ることにした。

 しばらくして、部屋に戻っていたミーシャが、暇そうな顔でふらりと出てきた。そして、ソファの前に立ち、じっとユウヤを見つめる。

「ユウちゃん、ひまぁぁ~」

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